冨田渓仙画伯作「蓬莱仙境図」冨田渓仙画伯とは明治12年、福岡で生まれる。明治30年、画家になる志しをたてて京都へ。都路華香に京都四条派を学び古典の研究をかさねる。文展の出品作が、横山大観に認められ再興日本美術院に出品、その後同人に推挙された。横山大観が「渓仙は何百年に一人も出ない偉い画家だ」と高い評価をされています。しかしながら昭和11年57歳の若さで京都にて死去。「蓬莱仙境図」は晩年の作品で昭和10年前後の制作と思われます。箱書きが大観先生の署名がいわゆる ツノ落款。このサインは、昭和8年~15年頃の特長ある文字です。墨の色がなんとも♪素晴らしい♪濃すぎなくて薄くもなく見れば見るほど味わい深い。渓仙画伯が亡くなった後に書いた可能性もあるのでは・・・縦長の軸装で雄大な蓬莱山を遠くに描き幻想神域を流れる瀧天からの旭日水辺を飛び交う鶴、白梅に松、赤い架け橋・・・縁起の良いさまざまな演出で仙人が住む神秘的ワールドを描いた作品です。