画廊の多くは、額の入っているケース(通称タトウ)を茶色い紙で包んで取り扱いをしています。しかし、その包み方は各店で微妙に異るのです。とくなが美術では、京都の京表具皐月表玄で行なっている包み方と同じ方法で行なっています。使用する紙はハトロン紙のロール状横幅1m以上。慣れるまでなかなか取り扱いが大変です。すぐにシワになったり、ゆるゆるになったり・・・しかし、長年の経験と慣れで、1点10分以内で出来あがるようになります。それと見た目に上品になるようと心掛けています。(角はキッチリ線をつけ、折り目正しく仕上げます)たまに一度扱ったことのある作品をまた扱うことになり、自分が昔包んだままの包みで戻ってくる事があります。 幼き日の自分の仕事を見て良しや悪しやと・・・など十数年ぶりのなつかしい再会です。また、側面には10センチほどの「ラベル」紙が貼っている事があるのでよく見てください。画家の名前、サイズや画題を書いているのですが、このラベル紙一枚で私たちはこれが○○百貨店が取り扱いした作品・○○画廊で売られた作品・○○店で額装された絵画だとおおよそわかります。 包装紙は絵画鑑定のポイントの一つにもなります。たかが、額を包んだ茶色の包みとあなどることなかれ!!