掛け軸の製作の際には、センチではなく昔ながらの尺差しで計測して製作を行ないます。(もう写真のようなものさしは殆ど市販されていない?)絵画で「額」のものなら何号とか何センチで測りますが、軸装の場合は今でも『尺八の掛け軸』とか『二尺の掛け軸』などと呼ぶことが多いです。(縦に長いのはタツモン:立物とか言う)とくにプロのセリ業者市場(交換会)では軸の大きさを尺寸で表現します。『二尺五寸』や『三尺』の掛け軸だと、わあ~大作だ。と言う具合。現実的には、『三尺』の掛け軸だと絵の横幅が約90センチですが、実はそれに両側に表具の布が片側10センチ付いているので、全体の大きさは約110cm(90+10+10)を越えてしまいます。大幅の軸を巻く際は、両手いっぱい広げても手がギリギリ届くかな?という心配がいつも頭をよぎります。時には日本の古いサイズの測り尺差しで品物を測るのも面白いと思います。一尺は、およそ30センチ。一尺の10分の1が1寸(約3センチ)。日本の伽話一寸法師の大きさのイメージがわかると思います。ちなみに写真の尺差しは 京都で掛け軸の修行の時より30年近く私の傍でサイズを測ってくれている相棒です。