掛け軸には桐の箱があるのをご存知ですか?その桐の箱に画家の先生が気持ちよく墨で画題を書いてます。 筆が滑らかに走り 見るからに素晴らしい文字・・・しかし、時代も変わり今では使わない言葉も多く 、画題を読もうにも意味不明で全くわからないことが多いです。解読出来ないときは、みんなでくずし字辞典や広辞苑で・・・探します。それでもわからない時は、長老の古美術商のところに御伺いして教えて頂きます。その際、こんな字が読めないなんてとお叱りを受けたり!しかし、読めて画家の隠された意味がわかった時はうれしくなります。この写真は京都画壇の巨匠で、昭和10年代に亡くなられた先生の作品の一部。この構図はかなりの人気図柄で、画伯の柿の色が特徴的で素晴らしい。秋の図で、メジロが柿の実を食べようと してます。右横に写っているのが、桐箱に書かれたわかりにくい箱の文字(画題です)。最後の文字は「き」。これは読めます。絵から下の2字は柿「かき」。しかし、はじめの2字がさっぱりわかりません。どうしてもわからないので・・・御伺いに行ってわかりました。「 志 満 可 き 」柿の実に少し縞(しま)模様がある。この縞は、高貴な品を表す時もあるみたいで・・・志満 → しま この当て字の意味はまだ解読出来ていませんが、 可き → 柿 なかなか面白いです。※ 答えは「縞柿(しまがき)」でした。製作が昭和10年頃なので、この当て字は当時の風習に何か関係があるのかも?