床の間に掛かる掛け軸、見ると心が落ち着きますね。いつもは 表側しか見ないですが・・・裏側には表具師の職人さんの熟練した技や数百年に渡る経験や工夫が施されています。掛け軸の軸棒の中はどのようになっているのでしょうか?良く見ると表装から少し軸先が出ています。多くは白い象牙ですが、他に 陶器 金属 紫壇 水晶など・・・。見えない部分は 木を丸く削り棒状にして その先に 象牙等が両サイドに付いています。これはおおよそ想像できますが。いい表具には 丸い木の中に 掛け軸が 上手く掛かるように工夫がされています。その 工夫 とは 鉛の錘が 前方やや下めに付いていて、掛け軸を掛けた時にその錘で真っ直ぐ胸を張る様 になっています。また、木も僅かでも膨らんでいるほうが前になるように 考えて付けています。なかなか軸棒を換えることはないですが 、表装を打ち替える(シワ等を伸ばして綺麗にする作業)時などに、表具師さんに隠れた軸の中を見せてもらうと面白い発見があると思います。