掛け軸を作る際の計り。今でも表具には基本となる寸法は尺で計っています。およそ☆一尺☆は30.3センチ。尺は、尺貫法の長さの単位。中国で初めて用いられたようで、日本では平安時代から おおよそ使われていました。現在ほとんどの目盛りが日常ではメートル法を基にセンチやメートルを使っておりますが、伝統を受け継いできた表装の世界では今でもこの計りを用いているようです。日本画の掛け軸売買の際に大きさの目安として、尺8(10号弱)、2尺(12号弱)、大きい作品だと2尺5寸(20号弱)など、市場で大きさを尺寸で表現することもあります。表具の修行中は尺差し(竹差しに一尺までの寸法が書いているもの)を多く使い、1尺の10分の1が1寸(約3センチ)、そのまた10分の1が1分(約3ミリ)、その半分が5厘。この5厘が尺差しの最小目盛りです。日本童話「一寸法師」はこの1寸(3センチ)の大きさで物語が書かれているのでしょうか?