今回は初心に戻り絵の用語や絵を見る「コツ」をご案内します。絵を見て、誰が書いているのかわからないという場合は・・・ 落款(※1) の文字で判断するのが一番です。それでもわからない場合は・・・ 額の裏のシール(※2)を見ましょう。日本画の多くの先生は、姓名の名(例:平山郁夫 → 郁夫)しか画面には書いていません。しかし、裏のシールには姓名を書いている場合があるので、わかる場合があります。それでもわからない場合は・・・ 箱を見ましょう。百貨店等で購入の作品には、絵が入っている箱の横に画家の名前が書いていますので見て下さい。それでもわからない場合は・・・ 画廊に聞きましょう。頑張ってお調べします。画廊に絵画査定を依頼すると、必ずサイズは何センチですか?10号(※3)ですか?とお聞きすると思います。注釈- 落款 ※1: 簡単に言うと、先生のサインです。画廊主はこの落款で制作年代を判断することが多いです。画家の先生はサインの書き方を年代別に変化させています。- シール ※2: 絵の裏に貼っている、画題と先生のサインを書いた紙の事です。共シールですか?と画廊主が聞くことがありますが・・・絵を書いた先生が書いたのが共シール。鑑定家が書いた場合は、○○シールと呼びます。- 10号 ※3: 額の絵で、見た目が大きい方のサイズが53センチ前後でしたら、これが10号サイズ。一番標準的な大きさで、展示した際に部屋とのバランス良いと言われています。さて、この薔薇の作品は、○○画伯の作品でしょうか?落款は「印象(いんしょう)」。印象と書く先生は、堂本印象 画伯ですね。落款の「象」の書き方が晩年制作の文字なので、評価の高い晩年の昭和45年前後の作品です。薔薇も素晴らしいですが敷物の布も鮮やかで、綺麗で華やかな作品です。