高校の先輩である井上さんの個展が都内のギャラリー檜で開催されました。昨年はNYでのアート展に出品するなどグローバルな活動も始めています。過去に何度か画伯の作品展へ足を運んでいましたが、今回は残念ながら伺うことが出来なかったので、展覧会風景と作品写真を拝見しました。作品点数が多く会期途中でレイアウト変更するなど、これまでの個展とは違い、製作意欲が溢れる内容となっていました。以前の画風は、杉板に赤を基調とした作品がメインでしたが、今回は赤・黄・緑・・・と七色に変化するカラフルな色彩で彩られた神秘的な世界の展観。タイトルは魍魎(木石などの精気から生じる妖怪)。見る者それぞれの感性が広がるような会場演出となっていました。私はこのような展覧会では、芸術的な目線ではなく画商としての目線で見ます。売買を考えて作品をどうしたら売れるのかをポイントにするので、時に芸術家へ厳しいコメントになります。会期の中盤にアドバイスとして、「各作品それぞれにもう少しインパクトが欲しい」更に良く見ると妖怪や動物、花々が浮き上がって見えるような工夫。出品作の中に「麒麟のシルエット」がありそのような画風が必要だとお伝えしました。このアドバイスは芸術とは違い、私達画廊主がお客様へ勧めるエッセンスワードの一つです。会期の終盤に連絡があり「麒麟の作品が売れました!とても嬉しいです」と、推奨した作品売却の良い知らせが届きました。今後の作品製作に向けて「麒麟シリーズ」をご提案しました。これまで取り扱った画家達の多くには、それぞれ代表的なモチーフがありその作品がリードして作品売買が行われています。その第一歩を歩んで頂きたいと思います。井上さんから快く考えてみますとのコメントを頂き今後の作品が楽しみです。